アホ社長のブログ

離島採集記録Ⅸ~沖縄県本島・与那国島・石垣島。

平成18年6月23日~6月30日、沖縄県本島・与那国島・石垣島。

今回は日本最西端で蝶屋の憧れの地、更に世界最大の蛾であるヨナグニサンの産地でもある「与那国島採集旅行」へ私(KOBA)と弟の蛇メタの他に知人、「TBFメンバー」の松ノ落葉さん、中標津のDEMさんの5人で行く事になった。家族以外では初めての「離島採集旅行」である。6月に決行するのも初めてである。航空券等の手配は今年も新聞記者のKさんが全てやってくれたので感謝感謝である。私は出発2日前の「FP懇親会」で不覚にもすっかり風邪を引いてしまった。同様に松ノ落葉さんも風邪薬を常備しての旅行である。体調は過去最悪の条件である。自分自身に情けない気持ちである。滞在中、私は風邪薬1瓶を飲み尽くしてしまった。

6月23日(金) 芽室→とかち帯広空港→東京国際(羽田)空港→沖縄那覇空港→レンタカー屋→沖縄那覇某ホテル。朝8時30分に自宅を車で出発。とかち帯広空港前で皆さんと待合せ飛行機で離陸。夕方、沖縄那覇に無事到着。某ホテルへ荷物を降ろして那覇の「国際通り」で夕食を取る事にした。宿泊ホテルは「国際通り」に面していて3日前にオープンしたばかりの洒落たホテルであった。私と同じく風邪のため体調を崩してダウンした松ノ落葉さんをホテルに残して4人で夕食を取った。18時頃DEMさん、蛇メタ、私の3人で北端の「やんばる」へ外灯採集に行く事にした(知人は観光)。高速道路を利用して約3時間後に「やんばる」に到着。前回(2003年)「クワカブ」を採集した場所を巡り、最初に私がオキナワヒラタ♂、次に蛇メタがオキナワノコギリ♀、更にDEMさんが「やんばる」特産品のオキナワコクワ(リュウキュウコクワ)♂をゲット。「沖縄本島」ではこの日、外灯採集でオキナワヒラタ♂4♀7、オキナワコクワ♂2♀1、オキナワノコギリ♂1♀2、他(雑虫・爬虫類)であった。前回採れなかったオキナワコクワ♀を蛇メタが採集したのでこれでリベンジには成功した。嬉しい~。梅雨明けのためかまだ「クワカブ」に関しては発生初期という感じがした。ここは「クワカブ」に関して、毒蛇ハブを気にしなければ(そんな命知らずはいないかぁ?)初心者向きの島だと思う(オキナワマルバネ除く)。ホテルへ帰宅後の睡眠時間は約3時間弱であった。風邪で体調の悪い私には口に出せない苦しさであったが気力で頑張った。これが恒例の「採集旅行(地獄の修行)」の厳しさである(苦笑)。

6月24日(土) 沖縄那覇某ホテル→沖縄那覇空港→石垣空港→与那国空港→レンタカー屋→与那国島某ホテル。朝6時30分集合で朝一番の飛行機で「与那国島」へ向かう。午前中に到着。到着後、某ホテルに行ってビックリであった。エアコンが1時間100円取られるのである。決してホテル代は安くはないのにも関わらずに。何故ここのホテルしか無かったのかには理由がある。TV番組「Dr.コトー診療所」の続編のため島中のホテルが番組スタッフ等に長期で押さえられていたのである。丁度、宿泊ホテル前で番組撮影が行われていた。間近で数名の有名芸能人が見れたのは偶然ではあるが嬉しかった(特に番組ファンである蛇メタは)。話を戻すが、インターネットでこの某ホテルの悪評判は事前に知っていたのだが今回は他に宿泊施設が無いので仕方なかった。私達”アホ兄弟”の過去の「離島採集旅行」の中でも最悪のホテルであった。4日間宿泊してタオル等の交換も無し、ゴミ箱の回収も無し、歯ブラシも無し、蒲団類はそのまま、ティッシュも無くなればそのまま等、挙げれば切が無い程だ。今後宿泊される方は「サービスは無し!」と思った方が良い。唯一景色だけが良いというところが救われるかも知れない。先ずはDEMさん希望の「アヤミハビル館」へ4人で行き、その後ホテルへ先に送っておいた果実トラップを仕掛けに島のポイントを探す事にした。それにしても週末のせいか迷蝶(台湾産等)を狙って採集に来ている採集者がかなり多い。レンタルバイクで採集している採集者が多かった。採集スタイルはテキスト通りのような感じである(笑)。夜は外灯・路上ルッキング(夜)採集で松ノ落葉さんがサキシマヒラタ♂(与那国島産)を先ずゲットし、次に私がタイワンカブト♂(与那国島産)をゲットした。この日は最終的にサキシマヒラタ♂1♀9、タイワンカブト♂1♀1、他(雑虫・爬虫類)の結果であった。夜は一緒に行動した「スネークハンター」のDEMさんが地元貴重種の大蛇であるヨナグニシュウダを格闘の末捕獲した。いゃ~大したヤツです(笑)。しっかりと見学させてもらいました。車内は臭蛇(シュウダ)の悪臭が...。他にもDEMさんは小~中型蛇サキシママダラも捕獲した。蛇メタも日中、貴重種と言われているサキシマキノボリトカゲ(与那国島亜種)を早々とゲット。知人はTV番組ロケ見学と観光の一日だったようだ。

6月25日(日) 朝から貴重種のヨナグニネブトを採集するため3ヶ所の山へ入る事にする。また「野人」になる時が来たのかという感じだ。本心はやりたくない!厚着3点セットの上、32℃の暑さ+高湿度の中での材割採集である。「自殺セット」みたいなものである(笑)。厚着をしてサウナに入っている状況が長時間続く感じ、と言えば分り易いかなぁ。ついでに重労働付である。長年経験(卒業していない)している私達”アホ兄弟”はこの異常な行為に打ち勝つ事が出来るが、文明人である常識人とか「なんちゃって採集者」は絶対にやってはいけない行為である。この過酷な状況では本当に死ぬかもしれません。というより無理です。断言しますわ。倒木中にはサキシマヒラタの幼虫やヤエヤマサソリ(与那国島産)、ゴキブリ等は早々と発見出来るが、ヨナグニネブトはヒットしない(悲)。松ノ落葉さんの体調を考慮した結果早々に切上げる事にした。今回の採集目標であったヨナグニネブトはこの時点で諦める事にした。それでも過去に幼虫を採集していないタイワンカブトの幼虫を蛇メタが発見出来たのは結構嬉しかった。灯火トラップを某有名ポイントで試みたが「クワカブ」は採れなかった(悲)。前日夜にはここで同業者が灯火トラップをやっていた。外灯採集の某ポイントでは3人組(♂2♀1)の同業者に出会った。この日は最終的にサキシマヒラタ♂6♀16幼虫3、タイワンカブト♂1幼虫3、他(雑虫・爬虫類)という結果であった。夜、別のレンタカーで蛇捕獲に行ったDEMさんが前日以上の成果を上げた。彼は大満足のためか?異様にテンションが高かった気がした(何時もだけど...笑)。メガンテの呪文を使うのも時間の問題かもしれない(爆)。旅慣れしている知人はマイペースで観光してたと思う。

6月26日(月) 知人は午前中の観光の後、一足早く「石垣島」へ飛行機で向かった。到着後、彼はその後「竹富島」→「宮古島」→「沖縄本島」へ向かったようだ。この日から目的を達成したDEMさんは観光のため「採集組」の私達”アホ兄弟”とはそれぞれ別行動となった。これはライト感覚の「観光組」とハードな「採集組」では本来の旅行目的や価値観が根本的に異なるため止むを得ないのである。自由行動は御互いが気を使わなくて良いのでどちらにもプラスである。まだ体調不良の松ノ落葉さんをDEMさんに御願いして「観光組」の方へ。蛇メタとの話合いの結果、前日のヨナグニネブトを諦めたので過去最高の数量を求める目標に変更した。これでプレッシャーから開放されたので2人共「イケイケ状態」である(爆)。先ずは樹液採集をする事にした。これも猛暑の中、散策道等の山道を長時間に渡り数kmも歩くために材割採集の次に辛い。歩き始めて数分後、私がサキシマヒラタの鈴なりの樹木を発見した。嬉しい~。この後、某採集地にて札幌からツーリングで来た若いカップルに出会って話しかけられた。私達”アホ兄弟”の事を「研究者ですかぁ?」と聞いて来た(笑)。それにしてもこんな何も無い小さな島なのに「Dr.コトー診療所」続編ロケの追っかけみたいな若い観光客が結構多い。夜には松ノ落葉さんも復帰してトラップ・外灯・路上ルッキング(夜)採集をした。この日はサキシマヒラタ♂22♀24、タイワンカブト♂1、他(雑虫・爬虫類)と言う結果であった。数を採るだけなら南西諸島ではヒラタクワガタ系は比較的楽である。しかし、採集方法や生育環境等が見抜けなければ玉砕する可能性もあり。他には夜、路上(水田付近)を横断するミナミイシガメを2頭発見した。 

6月27日(火) 朝から4人で島の観光ドライブ等をする事にした。途中で蛇メタとDEMさんは爬虫類採集を始めた(笑)。偶然、観光地に貴重品がかなり目撃されたのである。私はこの日、観光で気が抜けたのか?朝から額を2cm程切り出血、更にビデオ撮影中にTV番組ロケ地の梯子頂上(「Dr.コトー診療所」の屋上)から落下して両腕・片足等を怪我し数箇所出血した。痛みには強い方なので自分自身の中では心配はない。今までの採集の時はこんな事は余りないのだが、今回は気分的に参った。自分のペース配分(注意力等)がかなり狂ったのかもしれない、いや歳かもしれない(苦笑)。この日の夜は樹液・トラップ・外灯・路上ルッキング(夜)採集でサキシマヒラタ♂9♀21、他(雑虫・爬虫類)であった。今回は既に材割採集を止めたので用具類は自宅に送る事にした。ここは「クワカブ」に関しては中~上級者向けの島だと思う(絶滅危惧種ヨナグニマルバネ除く)。

6月28日(水) 与那国島某ホテル→レンタカー屋→与那国空港→石垣空港→レンタカー屋→石垣島某ホテル。4人で昼頃の飛行機にて「石垣島」に向かう。到着後ホテル(昨年開業のホテル)に荷物を降ろして4人で観光地にて昼食を取る事にした。ここでは展示されている毒蛇ハブ生体も見て来た。当初の計画では「西表島」と「由布島」に観光で行く予定であったが、日程的に短いと言う事で断念した。その後は「観光組」、「採集組」はそれぞれ別行動する事になった。前回(2002年)採集した場所で松ノ落葉さんが樹液採集でサキシマヒラタ♂(石垣島産)をいきなりゲット。彼もここに来て徐々に進化しているようだ(笑)。その夜、私がタイワンカブト♂(石垣島産)、更に蛇メタが特産品(貴重種)のヤエヤマノコギリ♀(石垣島産)をゲット。ヤエヤマノコギリの♀は前回の採集で採れなかったのでリベンジに成功した。良かったなぁ。この日は他の趣味関係で用を足した後、外灯・ルッキング(夜)採集でサキシマヒラタ♂7♀2、ヤエヤマノコギリ♀1、タイワンカブト♂3♀1、他(雑虫・爬虫類)という結果だった。前回の採集同様、この島での外灯採集のライバル(同業者)は害獣のオオヒキガエル(毒性あり)であり、こいつらより先に「クワカブ」を発見しないと動く物は全部食べられてしまうのである。特に「クワカブ系」は大好物で自販機の灯り付近では多い所で10匹程自販機前で待機している。夜になれば灯りの付近や道路には何処にでも出現する。気持ち悪いというより滑稽で思わず笑ってしまう。突付くとカメムシに似た臭いを発するのも今回の発見であった。他に天然記念物のセマルハコガメも夜に路上で発見した。「石垣島」での外灯採集はこいつらのせいで割に合わないので樹液・トラップ・材割採集をした方が効率が良いと思う。

6月29日(木) 朝から「観光組」と「採集組」はそれぞれ別行動となった。前回採集のポイント近くの樹液で蛇メタが2ヶ所のサキシマヒラタの鈴なりの樹木を発見した。それなりに高いところに付いているので私が前回同様樹木に登る事にした。樹液の付近の洞に住着いているサキシマヒラタもピンセットで格闘の末取り出した。更に根元付近の隙間に入り込んでいるサキシマヒラタもピンセットで取り出した。夜にも行ってみると日中と同じ様に鈴なりになっていた。この日は樹液・外灯採集でサキシマヒラタ♂13♀15、他(雑虫・爬虫類)という結果であった。ヤエヤマネブトは材割採集用具を既に自宅へ送ってしまったので諦めた(悲)。採集の途中テーマパークや鍾乳洞等の観光地も数ヶ所巡った。ここは「クワカブ」に関しては中級者向けの島だと思う(ヤエヤママルバネ除く)。

6月30日(金) 石垣島某ホテル→レンタカー屋→石垣空港→沖縄那覇空港→東京国際(羽田)空港→とかち帯広空港→芽室。午前中に用を足し4人で帰宅する。途中の沖縄那覇空港で知人と合流し飛行機を乗り継ぎながら20時頃にとかち帯広空港に到着した。ここで皆さんとは解散。自宅到着は21時頃だった。今回も野生のサキシマハブ(石垣島産)を発見する事は出来なかった。ビデオ撮影したかったのだが...残念!早かったような遅かったような「離島採集旅行」であったが、天気も晴れの日が続き結果オーライである。採集数記録も過去一番となった。しかし、これは私達”アホ兄弟”には妥協の一番である。数々の経験を積んだプロに数量目標では甘いのである。やはり少量で良いから種類優先だと思う。特に外灯採集で道路上に見えている「クワカブ」は採集と言うより拾得と言うべきである。大金を使い限られた時間内で採集に来た以上、楽して親子や仲間等で採るという採り方(これは地元では私もしてます)とは根本的に考え方が全く違うのである。どれだけ難易度の高い離島であっても採れなければ私達”アホ兄弟”は負けなのである。この悔しさが次ぎの新しい離島では経験になって行くのである。贅沢な悩みだがリベンジ成功や新発見等もあり取り合えず赤点では無かったと思う(笑)。しかし焼けたなぁ~痒いですわぁ。新デジカメで写真も一杯撮ったし。DEMさんは誰が見ても現地人と同化してたと思うし、松ノ落葉さんは「採集の広さ・深さ」等を知りとても良い経験になったと思う。知人はマイペースだし。良くも悪くも皆さんには忘れられない「思い出」になったのでは?と思う。皆さんは間違いなくレベルアップしたはずだ。来年(2007年)は余り行きたくない「鹿児島県屋久島」へ行く計画である(苦笑)...変更の可能性もあり。

採集結果(樹液・外灯・トラップ・材割・路上ルッキング)→オキナワヒラタ♂4♀7、オキナワコクワ(リュウキュウコクワ)♂2♀1、オキナワノコギリ♂1♀2、サキシマヒラタ(与那国島産)♂38♀70幼虫3、タイワンカブト♂3♀1幼虫3(与那国島産)、サキシマヒラタ(石垣島産)♂20♀17、ヤエヤマノコギリ(石垣島産)♀1、タイワンカブト(石垣島産)♂3♀1、その他に雑虫類多数(ハナムグリ、コガネムシ、タマムシ、カミキリ、コメツキ、ゾウムシ、キマワリ、カマキリ、サソリ、サソリモドキ、ゴキブリ、ゴミムシ等)、爬虫類(キノボリトカゲ、ミナミヤモリ等)。

続きは次回に。

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